緑の映える季節になりましたが、まだまだ台湾の観光といえば「街」の散策が中心ではないでしょうか。
じつは台北市内にはMRTで気軽に行けるハイキングコースがたくさん。コロナ以降のアウトドアブームもあって週末には多くの人で賑わいます。
とりわけSNSなどで注目されている絶景に出会える撮影スポットは、意外と標高が低く散歩感覚の手軽さ。
今回はそんな30分程度で登頂できるゆる登山プランを3つ厳選してご紹介します。
1【碧山巌】360°パノラマの天空の廟
碧山巌開漳聖王廟
台湾最大の開漳聖王廟として昼夜問わず参拝者が絶えない「碧山巌(ビーシャンイェン)」。MRT内湖駅からバスでわずか10分程度で到着するとあって、気軽に絶景を楽しめる穴場スポットです。
とくに夜景は特筆すべき美しさ。広告などにもよく使われる台北市の全景が撮影できるとあって、台湾のカメラマニアに絶大な人気を誇ります。
標高200mの高台に位置する廟からは、ぐるりと360°のパノラマビューで台北市内を一望することができます。
その景観はさしずめ天空に浮かぶ廟といったところでしょうか。街中にはない解放感から、テラス席に座ると時間を忘れてしまいそうです。
碧山巌では給水機サービスやカフェが併設されているため、参拝者やカメラマンだけでなく登山客にとってもなくてはならないスポットとなっています。
周辺情報① 白石湖吊橋
碧山巌から徒歩5分ほどのところにある白石湖吊橋も必ず訪れたい撮影ポイント。標識もわかりやすいので簡単に辿りつくことができます。
竜の骨をイメージした全長116mの白い吊橋は、吊り下げロープのない特殊設計。
周囲の田園風景にも自然と溶け込んでいるため、美しく写真に収めることができます。
周辺情報② いちごカフェ「苺圃休閒農園」
碧山巌周辺は「白石湖レジャー農園区」と呼ばれる農業が盛んな地域です。とくに台北市民の間ではいちご狩りが有名。
エリア内にはファミリーやグループで農業体験が楽しめるスポットや、新鮮な農作物を活かしたカフェやレストランが点在しています。
なかでも白石湖吊橋から徒歩5分ほどのところにある「苺圃休閒農園」のいちごの彩りピザ(美莓繽紛披薩)は、そのビジュアルだけでなく、フレッシュな美味しさでリピーターを虜にしています。
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2【象山】台北を一望する奇妙な巨岩群
象山 六巨石観景台
街のランドマーク台北101から徒歩10分。突如現れる象山登山歩道は、観光客にはあまり知られていない穴場スポットです。
30分ほど歩けば展望台に到達できる象山(シャンシャン)は、地元の人にとっては豊かな自然と触れ合えるだけでなく、目の前にそびえる台北101と台北市街の絶景を一望できるとあって、週末ともなると多くの人で賑わいます。
カメラ好きの方にとっては夜景撮影の聖地とも言えるでしょう(※夜は街灯がありますが、足元には充分お気をつけください)。
象山登山のハイライトは、頂上にある迫力の奇岩群「六巨石」です。その姿はある種の神秘的な雰囲気を醸し出しています。
もちろん六巨石に登ることは禁止されています。
かつては街と奇岩の不思議な世界観をカメラに収めるために巨岩に登る人もいたようですが、最近はかなり少なくなりました。
実際に現場行くとその危険度は一目瞭然。周囲の迷惑とならないためにもしっかりとルールを守りましょう。
象山は高級マンション地区でもある
台北101から徒歩10分という立地からも想像できる通り、象山は高級マンションが建ち並ぶエリアでもあります。
象山の頂上からもプール付きのゴージャスなマンションが目に止まります。
緑が多く、よく整備された街並みに建つマンション群は、中古物件でさえ坪単価100万元〜(約450万円〜)というから驚きです。主に富裕層による投資目的での購入が多いのかも知れません。
象山の主な登山ルートは3つ
象山含め、周辺は四獣山(虎山、 豹山、 獅山、象山)と呼ばれる山々が自然歩道で結ばれており、標高も140〜180m程度と初心者や子供でも気軽に登れるとあって、人気のハイキングコースとなっています。
下記では主な象山の登山ルート「象山親山歩道」を3つご紹介しています。
一番短いもので往復1時間程度で楽しめます。最寄り駅やルートの特徴が異なるので、予定や体力に合わせて選んでみてください。
行き帰りを別ルートで楽しみたいなら、王道の象山北星賓宮歩道の登山口から登り、象山永春崗歩道で下山するのがいいかも知れません(下記MAP参照)。
下山後は永春高中のバス停(本数多め)から台北駅や松山駅に行くこともできますし、永春駅近くのローカルな永春市場で屋台グルメを堪能することもできます。
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3【猫空】お茶の里のロープウェイ
2007年に開業した全長約4kmの猫空(マオコン)ロープウェイ。自力で登山をする必要がないので、最も簡単に絶景を楽しめる方法かも知れません。
ロープウェイは片道30分ほどかけて動物園駅→動物園内駅→指南宮駅→猫空駅と4つの駅を巡ります。道中はゴンドラから台北101をはじめ台北市街を一望でき、昼・夕・夜と時間帯によって異なる雰囲気を楽しめます。
また、ここ文山区は包種茶や鉄観音といった台湾茶の産地でもあります。
終点の猫空駅を下車すると「邀月茶坊」など人気の茶藝館やカフェが点在。「台北市鉄観音包種茶研発推広中心」といった台湾茶を深く学べる施設もあり、美しい景色を眺めながら1日ゆっくりと過ごすことができます。
ハイキングに行く前に
身軽な装備で楽しめる台北ハイキングですが、やはり最低限の準備はしておきたいもの。
個人的な経験則ですが、虫除けスプレーはなんとなく日本製の方が効いている気がしました。
反面、虫刺され用のかゆみ止め薬は台湾製の方が効いた気がします。現地の虫には現地の薬の方が効くということなのでしょうか。
台湾の万能薬と言われているレトロなパッケージの萬應白花油は、ロールオンタイプも発売されていて非常に便利なのでおすすめです。