突然ですが、皆さんは台北の内湖区をご存じでしょうか。じつはコロナ禍で3年間台湾へ帰省できなかった間に、夫の実家が内湖区に引っ越しました。
久しぶりの台湾はこの初エリアに慣れるべく、周辺の探索からスタートです。
台北市【内湖区】の基本データ
アクセス
下記路線図の茶色の線が「MRT内湖線」です。基隆河をはさんで、中心地より北東に広がる内湖区を中心に走る路線ですね。
南に走る木柵線に乗り入れて「MRT文湖線」として直通しているので、観光客の多い中心地にも、人気の猫空ロープウェイの乗り場駅にも電車一本で行くことができます。
MRT文湖線は全駅高架橋の無人モノレールを導入していて、台北の街を見下すように進みます。先頭の席は正面の大きな窓から市内パノラマを楽しめるので特におすすめです。
もちろん内湖区は路線バスも充実しているのでアクセスに困ることはありません。
帰省時に松山機場を利用すると
数駅で家に着くから助かります
人口・特徴など
内湖の読み方は中国語で「ネイフー」です
- 人口約28万人(台北市全体265万人)
- IT企業が集まるサイエンスパーク有り
- 複数の湖と山に囲まれた緑豊かな環境
改めて地図を見ると、台北市は観光客が集まる中心地(大同・中山・松山・信義・大安・中正・萬華)だけでなく、いくつものベッドタウンに囲まれて構成されていることが分かりますね。
今回引っ越したのは、内湖区(蛍光グリーンの部分)。サイエンスパークに勤めているビジネスマンをはじめ、近年は自然豊かな住環境を求める層にも不動産人気が高まっています。
内湖駅周辺の生活便利スポット
義実家の新しい最寄駅は、文湖線の内湖駅。
(※中国語で「駅」は「站(ヂャン)」と発音。)
久しぶりの台湾は、まず義実家周辺の生活環境に馴れるため、近所をブラブラと散策するところから始めました。
駅ビル「CITY LINK 内湖店」
複合商業施設「CITY LINK」は台北市内に3店舗あり、内湖店は2018年オープンと新しく綺麗です。館内は2階建てですが、2階と内湖駅が直結しているのでとても便利。
1階は日本で人気の「TSUTAYAブックストア」と「WIRED CHAYA」のコラボカフェが展開されています。館内は和食店や日系チェーン店がかなり充実。台湾人の日本好きを実感できるラインナップです。その他、スターバックスやマクドナルドをはじめ、ドラッグストアやファッション雑貨店などがテナントに入っているので、外国人にとっても重宝しそうだと思いました。
さらに台湾のベンチャー企業から生まれた電動バイク「gogoro(ゴゴロ)」のショールームも入っています。
3年ぶりの帰省でとくに印象的だった変化が「電動バイク」が驚くほど普及していたことです。Uber eatsの配達員も電動バイクの利用者が多かったですし、街中ではバッテリーの交換ステーションをよく見かけました。バイク文化の台湾ですから浸透するのも早かったのだと思います。
所在地:台北市內湖區成功路四段188號
湖光市場
内湖駅のそばには市民の胃袋を支える「湖光市場」があります。地元に愛される生活密着型の市場のため、ガイドブックに載っている市場とは違い観光客は全くいません。
基本的には朝市なので午前中が一番賑やかな感じ。今回は時間と胃袋サイズの関係で行けませんでしたが、市場には人気のB級グルメや朝ご飯屋さんも並びます。午前中だけの営業というお店が少なくないので、訪問の際はご注意くださいね。
所在地:台北市康寧路一段33巷21號
梁社漢排骨
ここ「梁社漢排骨(リャンシァハン パイグゥ)」は、夫のリクエストで台湾到着後に空港からまっすぐ向かったお店。排骨飯の専門チェーン店で台湾各地に店舗があります。どのメニューも美味しそうで目移りしますが、やっぱり定番の「炸排骨飯(ヂャア パイグゥファン)」が一番好きです。
急激な円安で涙目だった時期ですが、それでも110元(日本円で500円弱)。台湾にはこういったサッと食べられるものが充実していて嬉しい限りです。
店舗入口にある大きなタッチパネルで注文〜キャッシュレス決済ができるようですが、悠遊卡(日本のSuica的なカード)や台湾で発行されたクレジットカードしか使えない?ようです。LINE Payならクレジットカードと紐付けされていればOKかもしれません(私は未検証ですが…)。
所在地:台北市內湖區成功路四段30巷30號
内湖は市民の人気ハイキングスポット
マップを見て内湖駅から山が近いことは知っていたのですが、実際に行ってみると予想以上に充実したレジャーエリアでした。周辺には多くの寺廟・果樹園・花農園などがあり、鳥の鳴き声を聞きながら遊歩道を散策することができます。
内湖駅はハイキングスポットの入口のため、休日になると駅前の朝ご飯屋さんはアウトドアスタイルの人たちで賑わいます。
駅から路線バスで山に入ることもできますが、天気の良い日であれば、山の入口から散策がてらに歩いてみるのも楽しいですよ(※車道しかないところもありますので、歩行時は充分にご注意ください)。
白石湖吊橋步道
内湖駅からバスで15分ほど行くと「白石湖レジャー農業区」に入ります。
こちらの人気スポットのひとつ白石湖吊橋は、全長116mの美しい吊り橋。龍の骨をイメージしたデザインだそうで、そのダイナミックな姿はまるで緑の山々を駆けるドラゴンそのものです。
所在地:台北市內湖区碧山路24號
いちご狩り農園地区
市民にとって白石湖レジャー農業区は、いちご狩りでも有名です。エリア内にはいちご農園や、いちごスイーツ専門のカフェなどが点在しており、休日はグループや家族連れなどで賑わいます。
今回、友人と訪ねた「苺圃休閒農園」は、農園とカフェの一体型店舗。店内はいちご農園のグリーンとそのまま繋がったようなナチュラルなスタイルにまとめられ、リラックスできる空間となっています。
当初はケーキセットだけの予定でしたが、メニューに「いちごの彩りピザ(美莓繽紛披薩)」を見つけてしまい、誘惑に負け即追加注文。フレッシュ素材の爽やかなデザートピザは、きっとランチの後でも別腹でペロリです。
所在地:台北市內湖區碧山路38-2號
撮影スポットでもある寺廟群
この一帯は10か所前後もの寺廟が点在し、山を登るための路線バスも整備されていて便利なため、昼夜問わず参拝者が通う姿を見ることができます。
また碧山巖など台北市が一望できる撮影スポットがあることでも知られています。台北101をアングルに入れられるとあって、美しい夜景が撮れる穴場スポットとしてカメラ好きの市民の間では人気となっています(※路線バス利用の場合は、最終便の時間にご注意ください)。
内湖を訪れる際は、この開放的なパワースポットの景色をぜひ堪能してみてくださいね。
所在地:台北市內湖区碧山路24號(碧山巖)
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MRT内湖線沿線にあるスポット
松山機場から北東に伸びるMRT内湖線は、IT企業が集まる大規模なサイエンスパークがあることから、近年は台北市民の新たなベッドタウンとして、大型マンションやショッピング施設が建設されるなど、街の開発が続いています。
生活に便利な大型店もあり!
中国語で書くと・・・
* IKEA(宜家家居)
イージャージャージュウ
* COSTCO(好市多)
ハオシードゥオ
Miramar美麗華百樂園(劍南路駅)
大きな観覧車が目印の「美麗華(メイリーファ)」は、台北でも最大級のエンターテイメントパーク。ショッピングモールやレストラン街、大型映画館などが集まっています。平日の夜はカップルやお仕事帰りの人、休日は家族連れやグループなどで賑わっています。
美麗華だけでなく周辺にもショッピングやグルメなどの商業施設が多いので、ブラブラと歩くだけでも楽しく過ごせます。
所在地:台北市中山区敬業3路20號
台北花市(港墘駅)
義父が赤いツツジが好きだと聞いたので、ベランダに置ける鉢植えを探しに「台北花市」へ。
観光客によく知られている建国假日花市とは違い、卸売が中心の平日営業。業者さんがほとんどですが小売にも対応してくれます。
市場はA館とB館に分かれていて、館内はそれぞれ鉢物エリア・切花エリア・観葉植物エリアなどに区分けされています。花だけでなく鉢やカゴ・装飾品などのアレンジメント資材も豊富なので、花好きの方は一日中いても飽きないと思います。
ツツジは中国語で「杜鵑花(ドゥジェンファ)」。1鉢250元(約1100円)でした。さすが南国、日本の品種よりも花が大きく鮮やか。きっとアザレアに近い品種なのだと思います。
日本では高値の蘭なども豊富でお手頃。私の母は蘭が大好きなので買ってあげたら喜ぶと思いますが、検疫の関係もあるので、台湾訪問の際にはまずこの市場をゆっくり観賞させてあげたいと思います。
※港墘駅からは2kmほど距離があるので、路線バス利用がおすすめです。
所在地:台北市內湖区新湖三路28號
郭子儀紀念堂(文德駅)
私は台湾の歴史的建造物を訪ねるのが好きなのですが、ここ内湖区にもありました。
大正8年に建てられた郭子儀紀念堂は、当時の地域の長であった郭氏の邸宅。この時代の台湾は非常に好景気でもあり、貿易拠点として栄えた迪化街の建築様式とも共通点が多く見られます。
別名「内湖紅樓」とも呼ばれるこの名建築の精巧な装飾は訪ねてみる価値ありです。
所在地:台北市內湖區文德路267巷19號
湖に囲まれた緑豊かな公園スポット
碧湖公園(文德駅)
MRT文徳駅から徒歩数分の碧湖公園は、8ヘクタール(およそ東京ドーム3個分)もの大きな公園。昔は貯水湖だったそうで、園内では市民が散歩や釣りなど思い思いに過ごしています。
周辺には心地良さそうなカフェもいくつかあり、散策を楽しんだ後にゆっくりできそうです。
また碧湖公園は、京劇などの伝統芸術の養成学校である「國立臺灣戲曲學院」が隣接しています。私は昔、雑誌の取材で一度だけ見学させていただいたのですが、現在でも週2回、京劇や雑技の舞台公演や資料館の見学を行っているようなのでご興味のある方はぜひ。
所在地:台北市內湖区内湖路二段175號
大湖公園(大湖公園駅)
大湖公園は中国式庭園を模した大きな公園です。13ヘクタールの園内には趣のある施設が揃っており、撮影スポットとしても人気。昼間は水墨画のような風景ですが、夜になると一転、美しくライトアップされた幻想的な雰囲気に包まれます。
特筆すべきは周辺の環境。近年いわゆる億ションの建設が続き、芸能人も多く住むようになりました。夫曰く、昔は田畑ばかりだったそうですが、今ではすっかり高級住宅街と様変わりしたようです。
所在地:台北市內湖区成功路五段31號
樂活公園(東湖駅)
台湾は冬が短く、桜の見頃も2月頃と日本より早く春が訪れます。お花見には陽明山まで行く人も多いですが、市民が最も気軽に楽しめるお花見スポットとして人気なのがここ樂活公園です。
MRT東湖駅から徒歩10分程度とアクセスがよく、毎年2月の満開シーズンは、夜にもライトアップイベントが行われているので、昼夜問わず散策や撮影を楽しむ人々が訪れます。
台湾でお花見をしていると、日本の桜よりも色が濃く、八重のような品種が多い印象です。聞けば気候の違いからかソメイヨシノを台湾で育てるのはなかなか難しいとのこと。しかしながら最近では少しずつ改良も進み、多種多様な桜を見ることができるようです。
ちなみに日本のように宴会をしているグループは全く見かけません。台湾のお花見は、散策し花を愛で写真を撮る…といった観賞スタイルのようですね。
所在地:台北市內湖區康樂街61巷
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まとめ
自然豊かなベッドタウンというイメージが強かった内湖区ですが、実際に歩いてみたら意外と観光として楽しめるスポットもあることが分かりました。
今回は3年ぶりの帰省ということで、時間も少なく天候も悪かったため、かけ足訪問となりましたが、ぜひ次回は内湖エリアをもう少し深掘りできればと思っています。