台北のもうひとつの紅楼。観光客が知らない「内湖紅楼」へ

台北市内湖区のレトロ建築「郭子儀紀念堂」
台湾リピーター必見!台北市内湖区のレトロ建築「郭子儀紀念堂」

夫の実家がある内湖區にもだいぶ慣れてきた今年のゴールデンウィーク。前回の帰省では訪問できなかった気になるスポット「郭子儀紀念堂」に行ってきました。

台北で有名な紅楼は西門町の紅楼淡水の紅楼の2つですが、この観光客にまだ知られていない紅楼は、別名「内湖紅楼」と呼ばれ、台北のもう一つの紅楼とも言われています。

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目次

郭子儀紀念堂の基本データ

郭子儀紀念堂が建てられた日本統治時代中期の台湾は社会的にも安定しており、貿易拠点として栄えた迪化街をはじめ好景気に沸いていました。

精巧な建築が多く残っているのもこの時代の特徴と言えるのではないでしょうか。

建てた人物とその一族

郭子儀紀念堂は大正6年(1917年)、内湖地区の名士・郭華溪氏によって建設されました。

郭家の始祖は中国唐代の軍事戦略家として有名な郭子儀(697〜781年)。郭氏の子孫が清代に台湾に渡り、内湖の地を開拓したことが繁栄の始まりです。郭華溪は郭家の第6代当主となります。

のちに郭子儀紀念堂となるこの邸宅は、戦乱によって30数年間もの間、所有者が農家や寺廟などに幾度も変わり、1980年代に入る頃には空き家のまま荒れ放題で放置されていました。

その後、1999年(民国88年)に台北市が史跡として指定。一族の有志と市政府が協力し資金集めに奔走したことで修復が実現し、2012年には修復が完工します。その総額は4000万元(約2億円近く)とも言われています。

郭子儀紀念堂 郭子儀八子像
郭子儀の子息8名を描いた「郭子儀八子像」

邸宅の特徴

赤レンガや彩色タイルを資材として西洋様式と中国様式を見事に融合させた建築スタイルは、かつて大正型建築と呼ばれ、左右対称の凸字型デザインはそのファサードが特に印象的です。

装飾の資材には日本から輸入された洗石や色磁器なども使用されていました。

郭子儀紀念堂の外壁は、建物上部に彫られた郭家の屋号「汾陽」の文字の周りにバロック様式の草花文様の彫刻が装飾され、弧状のバルコニーの下には中国様式の吉祥文様の彫刻が配されています。

建物の内部に入ると多くの梁が目に止まりますが、これは床材の重さをしっかり支えるだけでなく、台湾の伝統的な天公炉や提灯を吊るすための燈樑の役割も果たしています。

ファサードが印象的な郭子儀紀念堂の建物正面
ファサードが印象的な郭子儀紀念堂の建物正面

郭子儀紀念堂へのアプローチ

郭子儀紀念堂は丘の上にあるため、アプローチが少し特殊です。文徳駅から徒歩5分のところにある中国風の門から森の中の階段を登っていきます。木陰なのでゆっくり歩けば疲れるほどではありませんのでご心配なく。

郭子儀紀念堂の敷地入口に建つ中国式の門
①敷地入口は、こちらの中国式の門が目印
郭子儀紀念堂の解放時間案内プレート
②開館時間は案内プレートで確認を
ミネルバ

ここから階段を登ります
丘の上までガンバッテ!

自然豊かな郭子儀紀念堂への階段アプローチ
③門をくぐり、緑深い階段アプローチを登ります
小高い丘の上に赤レンガの郭子儀紀念堂が見えてくる
④丘の上に赤レンガの郭子儀紀念堂が見えてきます

郭子儀紀念堂の1階

無料で自由見学ができる館内は撮影も可能。入館時、とても親切なスタッフさんから「ゆっくり見学してくださいね」と声をかけていただきました。

外観の見事な意匠も然る事ながら、館内では当時の建築技術の粋を余すことなく目にすることができます。また壁一面には、一族に関する解説や家訓などが展示されています。

郭子儀紀念堂1階(郭子儀公聖像)
祖である郭子儀を祀った「郭子儀公聖像」
郭子儀紀念堂1階(木造の梁と柱)
木造の天井、梁や柱から当時の建築技術が窺える
郭子儀紀念堂1階(郭子儀戯筆狂草)
郭子儀の遺した書「郭子儀戯筆狂草」
郭子儀紀念堂1階(当時の様子が偲ばれる階段)
当時の様子が偲ばれる艶やかな階段

郭子儀紀念堂の2階

一歩一歩、光沢のある階段を登っていると「かつて此処に人が住んでいたのだなあ」と実感します。

2階は明るく開けた廊下で各部屋が繋がっています。天気の良い日だったので、中国風の趣ある窓枠デザインと赤レンガの建物が調和し、空間の美しさが際立っていました。

各部屋には一族の系譜や関連書籍など、多くの史料が大切に展示されています。

郭子儀紀念堂2階(會客室/応接室)
中国様式のインテリアが馴染む応接室(會客室)
郭子儀紀念堂2階(採光が美しい廊下)
窓枠と採光の設計が美しい廊下
郭子儀紀念堂2階(郭子宗祠/会議室)
一族の祭壇(郭氏宗祠)には郭子儀の肖像画が
郭子儀紀念堂2階(圖書室/資料室)
郭氏の貴重な史料が揃った図書室
ミネルバ

館内見学のあとは、出口の
芳名帳に記帳してきましたよ

 

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周辺のおすすめ休憩スポット

MRT文徳駅の近くには郭子儀紀念堂だけでなく、地元の人に愛されている憩いスポット碧湖公園もあります。大きな湖を中心に広がる遊歩道には色とりどりの花が咲いていて、リラックス効果抜群ですよ。

所在地:台北市內湖區內湖路二段175號

ブーゲンビリアが咲き誇る碧湖公園のベンチ
ブーゲンビリアが咲き誇る碧湖公園のベンチ
夏を感じる碧湖公園沿いのスイカ売り
夏を感じる碧湖公園沿いのスイカ売り

珍珠菓子喫茶(Zen Zoo Pâtisserie)

珍珠菓子喫茶」は台北やパリで展開している日本風古民家カフェ。台湾の厳選された素材で作られた和菓子などを提供しています。店内ももちろん素敵ですが、中庭でゆっくり過ごすのも良さそうです。

所在地:台北市內湖區內湖路二段103巷38號1樓

日本を意識した碧湖公園近くの古民家カフェ「珍珠菓子喫茶」
碧湖公園の近くに建つ古民家カフェ「珍珠菓子喫茶」
碧湖公園近くの古民家カフェ「珍珠菓子喫茶」の中庭
レトロな雰囲気のカフェは天気が良ければ中庭もおすすめ

象園咖啡(Elephant Garden)

象園咖啡」は目の前に碧湖公園が広がる最高のロケーション。一見ファミリー層向けのカフェに思われますが、平日は意外と大人中心の客層でした。食事メニューもカフェメニューも両方用意されています。

所在地:台北市內湖區內湖路二段192號

碧湖公園を臨む「象園咖啡」のフルーツソーダと象さんパンケーキ
「象園咖啡」のフルーツソーダと象さんパンケーキ
碧湖公園を臨む「象園咖啡」の外観
碧湖公園が目の前の「象園咖啡」は窓際が特等席

 

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郭子儀紀念堂のアクセス・開館日

郭子儀紀念堂は台北市内にあるのでアクセスも簡単。MRT文湖線の文徳駅から徒歩5分ほど歩けば入口の門に到着します。

さすが史跡なだけあって、見どころが細部にまで多くあります。

私は壁面の彫刻や蓮池、修復前の史料などをもっとじっくり見たかったので、必ず再訪しようと思った次第です。

ミネルバ

こんなに素敵なレトロ建築が
ご近所にあったなんて…

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